
ダイエット食品をあれこれ見てますと、
「100%天然素材使用!」
「安心にご利用いただけます!」
というキャッチフレーズを目にすることがあるのです。
確かに、普段食べているものがそのまま入ってるのでしたら安全なような気がしますよね。
でも、合成素材でもきちんと管理してると安心なのも知ってるのですよ~。
では、天然素材と合成素材、どっちが安全なんでしょう?
意外と危険!天然・自然由来の食品
『厚生労働省の健康食品の正しい利用法(平成25年3月改定) 』によると、
- 天然だからと言って安心ではない!
らしいのですよ。
理由としては、
- 合成に比べて品質・安全性が高いというわけではない
- アレルギーの原因になりやすい
- 産地や天候などの要因で品質が一定でないことがある
- 成分がいっぱい含まれているため、素材の成分がすべて明らかになっているわけではない
- 有害物質・不純物が排除されていない可能性がある
とのことです。
では、それぞれ見ていきますよ~。
合成に比べて品質・安全性が高いというわけではない
天然だからといって、適当に加工しちゃってると、当然合成よりも安全じゃなくなっちゃいますよね。
その辺は、GMP認定されているかどうかを見れば、一応の目安にはなるのです。
でも、合成よりも必ずしも品質が高いとは限らないんですね。
なんとなく天然のほうが優秀、っていうイメージを持ってましたが、考えると服でも合成のモノが多いですし、そっちのほうが着心地良かったりしますよね。
一概に天然のほうが品質高いっていうのは間違ってるようですよ。
アレルギーの原因になりやすい
アレルギーの元になるアレルゲンについては、食品表示法できちんと記載しなさい、って定められているのです。
詳細は、以下の記事を参照してくださいなのです。
健康食品は基本的に加工品ですから、アレルゲンについては表示されると思いますが、それでも天然素材を使用していると、アレルギーになりやすいんですね。
「天然」だから安心~なのではなく、逆に「天然」だとアレルゲンがないかラベルをしっかり確かめる!っていう姿勢で臨まないとダメなんですね。
産地や天候などの要因で品質が一定でないことがある
これはもう天然由来や自然由来の宿命というか、仕方のないことなのですよ。
なんだかんだ自然には勝てませんし、ワインでも産地によって全然味が変わりますから。
でも、いつでも一定の品質を確保できる合成品に比べると、こういった影響を受けがちな天然・自然由来の食品は不利ですね~。
成分がいっぱい含まれているため、素材の成分がすべて明らかになっているわけではない
一個の食品だけでも成分は山のように含まれているのです。
たとえば、国産の小麦100gには、わかっているだけでこれだけの成分が含まれているのです。
(データ元は、『文部科学省 日本食品標準成分表2010 100gあたりの含有量』です。単位は省略しちゃってるのですよ!)
国産小麦の成分“]
- 一般成分:エネルギー(337)
- 一般成分:水分(12.5)
- 一般成分:たんぱく質(10.6)
- 一般成分:脂質(3.1)
- 一般成分:炭水化物(72.2)
- 一般成分:灰分(1.6)
- その他:エネルギー(kJ)(1410)
- その他:トリアシルグリセロール当量(2.6)
- 無機質:ナトリウム(2)
- 無機質:カリウム(470)
- 無機質:カルシウム(26)
- 無機質:マグネシウム(80)
- 無機質:リン(350)
- 無機質:鉄(3.2)
- 無機質:亜鉛(2.6)
- 無機質:銅(0.35)
- 無機質:マンガン(3.9)
- ビタミン:α-トコフェロール(1.2)
- ビタミン:β-トコフェロール(0.6)
- ビタミン:ビタミンB1(0.41)
- ビタミン:ビタミンB2(0.09)
- ビタミン:ナイアシン(6.3)
- ビタミン:ビタミンB6(0.35)
- ビタミン:葉酸(38)
- ビタミン:パントテン酸(1.03)
- ビタミン:ビタミンC(0)
- 脂肪酸:飽和脂肪酸(0.56)
- 脂肪酸:一価不飽和脂肪酸(0.35)
- 脂肪酸:多価不飽和脂肪酸(1.53)
- その他:コレステロール(0)
- その他:水溶性食物繊維(0.7)
- その他:不溶性食物繊維(10.1)
- その他:食物繊維総量(10.8)
- その他:食塩相当量(0)
- その他:重量変化率(0)
- 脂肪酸:脂肪酸総量(2.45)
- 脂肪酸:n-3系 多価不飽和脂肪酸(0.1)
- 脂肪酸:n-6系 多価不飽和脂肪酸(1.43)
- 脂肪酸:14:0 ミリスチン酸(5)
- 脂肪酸:15:0 ペンタデカン酸(3)
- 脂肪酸:16:0 パルミチン酸(520)
- 脂肪酸:17:0 ヘプタデカン酸(4)
- 脂肪酸:18:0 ステアリン酸(27)
- 脂肪酸:20:0 アラキジン酸(3)
- 脂肪酸:16:1 パルミトレイン酸(1)
- 脂肪酸:18:1 オレイン酸(340)
- 脂肪酸:20:1 イコセン酸(15)
- 脂肪酸:18:2 n-6 リノール酸(1400)
- 脂肪酸:18:3 n-3 α-リノレン酸(100)
こんなのが10個も20個も入っちゃうと、わけわからなくなっちゃいますよね。
なので、把握しているつもりが、余計なモノが入っちゃっていたり、入っているはずのモノが入っていなかったり、なんてことが起こる可能性が高いのですよ。
有害物質・不純物が排除されていない可能性がある
天然・自然由来とはいえ、農薬などなどはやっぱり使ってるんですよね。
なので、収穫するときに農薬などの不純物がきちんと取り除けていない可能性も出てきちゃうのですよ。
完全オーガニック栽培!とかだと話は変わってくるかもですが、健康食品でそこまでやっちゃうと、正直コストがかかり過ぎちゃうと思うんですよね。
なので現実的には無理といいますか。
ワインなどのように、高値で取引されるモノについてはいくらでもお金かけられると思うんですけれど、サプリでそれは正直なところキツイですよね。
まとめ
見て頂いたように、天然・自然由来とはいえ、必ずしも安全・優秀、っていうわけではないことが分かったのです。
考えてみれば、漢方は天然・自然由来のモノが多いですが、それ以外のお薬って基本的に合成なんですよね。
なので、
「合成とか無理!信じられない!私、天然一筋なの!」
という判断をするのではなく、合成は合成の良さがあり、天然・自然由来はそれはそれで良さもありますが悪いところもありますから、きちんと見比べて選んでいきたいですね。