
今や時代はローカロリーよりローカーボ(低糖質)。
そう言われて永らく経ちますが、効果のあるなしについては、いまだに議論は続いているようデスね。
ダイエットというだけではなく、糖尿病患者においても効果を発揮する、と医学的にも認められる記事が散見するようになりました。
でも、これから始めようと思っている方にとっては、「実際に効果はあるのかしら?」「リスクはないのかしら?」という点が気になると思います。
そこで、気になる糖質制限ダイエットについてまとめてみました。
糖質制限ダイエットのやり方
これから糖質制限ダイエットを始めようとしている方にとって、そして、現在、糖質制限ダイエットを行っている方にとって、どれくらい糖質を制限したらいいんでしょう?というのが最も気になるところですよね。
そもそも糖質って何?という方は、以下の記事をご参照ください。
いろいろな方法論が展開されていますが、江部先生の方法論をご紹介します。江部先生は、
- 日本人である
- ご自身が糖尿病患者である
- 医師として40年以上の勤務経験
- 糖尿病患者を多く治療してきた実績がある
- 2001年に糖質制限食に取り組み始め、10年以上も研究を続けている
という方なんですね。特に日本人である、ということがポイントでして。日本人であるがゆえに、当たり前ですが日本食について馴染みのある方です。
日本人である江部先生が無理なく日々の生活に摂りいれることができる食生活として糖質制限食を提言されているわけですから、日本人に合わないわけがないんですね。
では、肝心の糖質制限の方法なのですが、3パターンありまして、
- プチ糖質制限食:夜だけ糖質抜き
- スタンダード糖質制限食:朝と夜は糖質抜き
- スーパー糖質制限食:3食全てを糖質抜き
ここで言う糖質抜きは、糖質を10~20gにおさえることを意味します。野菜や調味料には少なからず糖質は入っていますから、目に見える糖質、たとえばお米などを一切抜く形になりますね。
まずはプチ糖質制限食から始められて、体を慣らしたところでスタンダード⇒スーパーと進めるようなら進んでいけば良いかと思います。
糖質制限ダイエットの仕組み
「そもそも、なんで糖質制限をするとダイエットになるの??」と思われる方もおられるかもしれませんので、記載しておきますね。
まず、三大栄養素は
- 炭水化物 = 糖質 + 食物繊維
- たんぱく質
- 脂質
ですね。
この中から糖質だけをカットするのが糖質制限ダイエットです。
糖質は体の中に入るとぶどう糖になります。そして、ぶどう糖が血液中に放出されることによって血糖値が上がります。血糖値が上がるとインスリンというホルモンが分泌され、ぶどう糖を細胞に渡してあげます。
ぶどう糖を受け取った細胞は、ぶどう糖を元にしてエネルギーを作ります。そうやって私たちの体は動いているわけですね。
ですが、使い切れなかったぶどう糖は、インスリンによって脂肪に変えられてしまうわけです。そのため、太ってしまうわけです。
では、糖質制限をするとどうなるのか?なんですが、血液中のぶどう糖は全部エネルギーに変わっちゃいますね。でも、体を動かすにはエネルギーが必要なわけでして。
そこでどうするかと言いますと、脂肪やたんぱく質を分解してエネルギーの元を作ってあげるわけですね。ヒトの体には糖新生といって、アミノ酸や脂肪からぶどう糖を作ってあげる機能があります。
また、アミノ酸や脂肪から作られるケトン体っていう成分もエネルギーにすることができるんですね。
つまり、体の中の脂肪をエネルギーに変えて利用していくわけです。
ウォーキングは30分以上しないと意味ないよ、なんていうことをよく聞きますが、これってつまり最初の2、30分はぶどう糖をエネルギーとして使っているからなんですね。
体の中のぶどう糖がなくなって初めて、脂肪をエネルギーとして燃やし始めるわけです。
つまり、糖質制限をすることで、ウォーキング30分後の状態がずっと続くわけです。
動けば動くほど脂肪は燃えますし、何もしなくても脂肪は燃え続けるわけですね。
これが糖質制限ダイエットのメカニズムです。
糖質制限ダイエットのポイント
糖質制限ダイエットを成功させるためのポイントは以下の3点です。
- 最初から無理をしない
- カロリーを抑え過ぎない
- 栄養素をきちんと摂る
では、それぞれについて見ていきましょう。
最初から無理をしない
糖質制限の仕方には3種類あると記載しました。
理想としては、全食糖質制限なのですが、いきなりコレをやろうとすると、正直キツイです。そしてデメリットのところに記載している「臭い」にもつながりかねません。
そのため、最初は夕食だけ糖質制限から始められると良いかと思います。
そして、あまりにガチガチにされるのではなく、最初はご飯やパンを抜くだけ、といった形で始められると良いと思います。
糖質の多い食材については少しずつ覚えていく、くらいの気持ちで良いと思いますよ。
お米と芋は糖質が多いから避けておこう、といった感じで最初はざっくり取り組んでみましょう。慣れてきたら徐々に糖質が多い食材をインプットしていけば良いですし。
それだけでも一日に摂取する糖質の量は随分と減るはずです。
買い物の際に、炭水化物の量を見る癖をつけておけば、気付かないうちに糖質が多い食材についての理解は深まるはずです。
まずは無理なく気軽に始めてみることをオススメシます。
カロリーを抑え過ぎない
理想は一日の摂取カロリー < 消費カロリーですが、糖質制限をしている間は、摂取カロリー = 消費カロリー、もしくは若干ながら、摂取カロリー > 消費カロリーくらいで良いかと思います。
大事なのはカロリーをおさえ過ぎないこと。
厚生労働省 「日本人の食事摂取基準」2015年版によると、18~29歳女性の三大栄養素のバランスの推奨量は、
- たんぱく質:13~20%(50g)
- 脂質:20~30%
- 炭水化物:50~65%
- 食物繊維:18g以上
とされています。必要なカロリーは身長、体重、年齢、性別、身体活動レベル(デスクワーク中心か激しい運動をしているか)などによって変わってきますが、
- 18~29歳女性
- 身長:158cm
- 体重:50kg
- 身体活動レベル:普通
の場合の推定エネルギー必要量:1,950kカロリーを元に計算しますと、
- たんぱく質:253.5~390kカロリー
- 脂質:390~585kカロリー
- 炭水化物:975~1,267.5kカロリー
食物繊維は種類によってカロリーが変わります。ここでは暫定的に2kカロリー/gとしますね。食物繊維のカロリーについて興味がある方は、『厚生労働省 「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」の一部改正について』をご参照ください。
たんぱく質、炭水化物が4kカロリー/g、脂質が9kカロリー/gですので、これをもとにg単位に直しますと、
- たんぱく質:63~98g
- 脂質:43~65g
- 炭水化物:244~317g
- 食物繊維:18g以上
- 糖質:206~279g
となります。
脂質、たんぱく質、食物繊維を最大限摂り、一食だけ糖質を20gに制限したとします。この場合の総カロリーは、
- 390kカロリー(たんぱく質) + 585kカロリー(脂質) + 36kカロリー(食物繊維) + 20g(糖質制限食の糖質) + 2/3 x 975kカロリー(糖質制限なし食の糖質) = 1,681kカロリー
となり、300kカロリー程度のカロリーダウンとなってしまいます。短期集中ダイエットをしたいなら、これで十分な気がしますが、ぶどう糖の代わりにたんぱく質や脂質からエネルギーを補給することになりますから、お肌に良くない影響が出てしまいそうですよね。
となると、最低限カロリーバランスは取っておきたいところ。
食物繊維だけを150g摂るっていうのは現実的ではありませんから、たんぱく質を多めに、脂質をちょっと多めに。
- たんぱく質:138g(+40g):552kカロリー
- 脂質:113g(+10g):720kカロリー
- 糖質:167.5g:670kカロリー
- 食物繊維:28g(+10g):56kカロリー
- 総エネルギー:1,998kカロリー
となり、若干ながら摂取カロリーがプラスになります。最初はこのくらいから始めても良いのではないかな、と思います。
栄養素をきちんと摂る
三大栄養素も大事なのですが、ビタミン・ミネラルも出来る限りバランスよく摂っていきたいですね。
一食糖質制限でカロリー摂取量を減らさないのでしたら、さほど大きな影響はないかと思いますが、二食以上糖質制限を行い、カロリーを減らした場合、ビタミンやミネラルの不足が懸念されます。
栄養補助としてオススメなのは、ベジエが発売しているスムージーです。
- 一食でビタミン11種を簡単補給
- 食物繊維も9.56g(20代女性の1日の推奨量は18g以上)配合
- 100万袋以上売り上げた実績
さっと水に溶かして飲むだけの簡単栄養補給です。サプリに抵抗がある方もスムージーなら大丈夫ではないでしょうか。
ビタミン11種、食物繊維が9.56g、糖質は8.4gとおさえられていますから糖質制限の許容範囲ですね。
食物繊維を多く含みますから、食事と一緒に摂ることで糖質や塩分といった余分な成分を体の外に出すことができます。
食事から必要な栄養素だけを摂りこみ、ビタミン・食物繊維も補給することができる。まさに理想の形と言えます。
[sc name=”ベジエ” ]
糖質制限ダイエットのメリット
糖質制限ダイエットのメリットは、
- カロリーは減らさないため辛くない
- お金がかからない
ローカロリーダイエットとは違い、食べる量やカロリー自体は減らしませんので空腹を感じることはあまりないかと思います。
とはいえ、脳の栄養素をぶどう糖からケトン体に切り替えることによる頭痛が発生することがあります。一気に糖質制限をしない限りはそこまで辛くはないと思いますので、今はそういう時期なんだ、と割り切り、頑張って耐えましょう。
そのうち頭痛は消えるかと思います。
次にお金がかからない、ですね。
普段お米やパンに使っていたお金を、大豆や魚・お肉に切り替えるだけですから、さほど経済的な負担はないと思います。ダイエットというとお金がかかりがちですから、これは大きなメリットですね。
糖質制限ダイエットのデメリットとリスク
糖質制限のデメリットとリスクですね。
よく言われているのは以下の2点があります。
- 便秘になっちゃう
- 臭くなっちゃう
では、それぞれについて見ていきましょう。
糖質制限ダイエットは便秘になる?
便秘になると言われている原因の一つに、炭水化物と糖質をごっちゃにしている、という点があります。
炭水化物 = 糖質 + 食物繊維、ですから、食物繊維まで抜いちゃう人がいるんですね。
炭水化物制限ダイエットですと、確かに便秘になりがちです。それは食物繊維を摂らなくなっちゃうからですね。
ですが、糖質制限ダイエットでは食物繊維はむしろたっぷり摂ります。
そのため、便秘になることは少ないのでは?と思われるんですね。
とはいえ、糖質は水分を多く含んでいるモノが多いですから、それが減り、脂質のように吸収しづらいモノが多く入ってくると最初は便秘になっちゃう方もいるようですね。
ですが、体がその生活に慣れるにしたがって便秘が解消されるのがほとんどのようです。それでも解消されないようでしたら、食物繊維をさらに多く摂ると良いかと思いますよ。
糖質制限ダイエットをすると臭くなっちゃう?
これはあるようですね…。
原因はケトン体です。
ケトン体は、アセトン・アセト酢酸・β-ヒドロキシ酪酸の総称なのですが、そのうち、アセトンが臭いんですね。
体の中にぶどう糖がなくなると、脂肪や筋肉などを分解してケトン体を作り出しエネルギーとして利用するようになります。血液の中にケトン体が大量にいる状態になるわけですね。
この状態をケトーシスと言います。
これは糖質制限ダイエットをしている身からすると、体の中のぶどう糖を吐き出し、脂肪が燃えやすくなっている状態ですので好ましい状態ではあるのですが、臭いのはイヤですよね…。
臭いについては個人差があるようでして、全く出ない人もいれば、アルコールのような臭い、りんごなどの果物の腐ったような臭いがする人などなど様々です。
口臭を防ごうとしても、肺から直接ケトン臭が臭ってくるため、ガムなどではイマイチ効果がないのも厄介なんですよね。ちょうどタバコ吸ってる人が口臭を隠し切れないようなイメージですね。
数か月の我慢といっても、やっぱり嫌なモノは嫌なモノです。
そのため、徐々に体を慣らしていくことが重要と言えます。なので、いきなり糖質制限三食!とかにするのではなく、一食置き換えなどから行って、徐々に体を慣らしていくことが重要であると言えます。
糖質制限ダイエットには水分は必要?
これはケースバイケースですね。
先ほどお話したケトン体が血液や尿中に含まれているようでしたら、水分は多めに摂ったほうが良いと言えます。
理由は、余分なケトン体を外に出してしまうためですね。
これにより、ケトン臭が少なからず軽くなると思われます。
そうでない場合は、普段通りの水分補給で十分かと思いますよ。
糖質制限ダイエットの効果はいつから?
早いヒトは一週間で数キロ痩せるようです。
ですが、これは体の中のぶどう糖がなくなった分、体重が減ったわけでして。後は糖質に多く含まれる水分を摂らなくなったことによる体重減少だと思われます。
ですので、本格的に痩せるのはこれからですね。
実際に効果が表れるのは1ヶ月程度経ってからと言われています。そこから継続的に減っていき、一か月あたり数キロずつ減少していくパターンが多いようですね。
どの程度糖質を削るかにもよりますが、通常のダイエットよりも成果が出るのは早いようです。
とはいえ、繰り返しお話していますが、無理は禁物です。
無理するとやっぱり辛いですし、まずはご自身がどのくらい糖質を制限しても大丈夫なのか、見極めながら実践されると良いかと思いますよ。
糖質制限ダイエットのOK食材とNG食品
ここでは、本当にざっくりとOK食材とNG食材を記載しておきますね。慣れてくれば、「食材+糖質」で検索していくと良いと思います。
後は便利なサイトとして、文部科学省管轄の『食品成分データベース』があります。
[browser-shot url=”http://fooddb.mext.go.jp/” width=”600″ height=”450″ href=”http://fooddb.mext.go.jp/” target=”_blank”]
こちらは、『文部科学省 日本食品標準成分表2010』をデータ元にしていまして、食材名で栄養成分を検索できるサイトです。ブックマークしておいて、買い物の際にスマホでちゃちゃっと炭水化物を調べると良いかと思います。
加工食品は栄養成分表示されているモノが多いですし、2020年までにはすべての加工食品に栄養成分表示が行われますので、炭水化物の量は見ればわかるようになります。
加工食品については、そこまで食物繊維を多く含むモノはありませんから、おおむね炭水化物=糖質、という認識で良いかと思います。
食品表示法が施行されたことにより、食物繊維を多く含む加工食品については、食物繊維量も記載されると思います。糖質も任意表示されるようになりますので、今後は糖質が多いかどうかを見分けやすくなりますね。
生鮮食品は栄養成分表示がされていないモノがほとんどですから、「アレ?これって糖質どのくらい含んでたっけ??」なときに、上記サイトを利用して炭水化物量を調べると良いと思います。
詳細を見ると、食物繊維の量も記載されていますから、「炭水化物 - 食物繊維総量」で糖質の量を算出することができます。
では、ざっくりとOKな食材とNGな食材を見ていきましょう。
OKな食材“]
- お魚(佃煮など調理されているモノは糖質が多いモノも)
- お肉(加工品でも糖質は低いモノが多い)
- ところてん、寒天・乾燥わかめなど
- 豆腐など大豆製品
- キノコ(できれば茹で)
- もやし・ホウレンソウ・レタスを大量に
- チーズ(牛乳は飲みすぎなければ)
- 卵
- お茶
- 蒸留酒(ウィスキー・焼酎・ブランデー・ジンなど)
NGな食材“]
- お米・小麦系(麺類も)
- こんにゃく以外のイモ
- カレー
- 漬物
- かぼちゃ・れんこん・ごぼう・たまねぎ・にんじん・ピーマン・トマトは大量に食べるのは控えたほうが良いかも
- 果物(アボガド・オリーブ・ココナッツ以外)
- 蒸留していないお酒(日本酒・甘酒・カクテルなど)
基本的には、お米やイモ、果物がNGですね。
お魚・お肉はOKなモノがほとんどです。お肉に至っては、ウインナーですら100g中糖質はわずか3gです。基本的には甘煮などをしていなければOKかと思いますよ。
後は、お野菜を大量に食べることになるかと思うのですが、お野菜の中でも糖質が多い少ないって分かれてまして。
NG食材に挙げているモノは、いずれも100gあたり糖質3~8gほどなのですが、大量に食べるとなると、どうしても気になっちゃいますね。
糖質8gのかぼちゃを300g食べると、24gになっちゃいます。糖質制限の20gを超えちゃうわけですね。とはいえ、栄養バランスを考えると少なからず食べておきたいところ。
そのため、大量に食べるのではなくて、少しだけ入れて、残りはOK食材に記載したお野菜を大量に食べる、といった感じが良いかと思います。
ですが、やっぱり、ここまでこだわろうとすると二の足を踏んじゃいますので、最初は糖質制限をかける食事については、お米・イモ・果物は摂らないようにする、くらいで良いかと思います。
徐々に減らしていく、そして慣れていく、っていうのが良いかと思います。
糖質制限食についてはいろいろ本も出ていると思いますので、レシピなども参考にすると良いかもしれませんね。
後は、文字を読むのが苦手な方については、漫画もWeb上にありますので、そちらを参考にされると良いかもしれません。
「漫画で分かる心療内科」で有名な、ゆうメンタルクリニックの方が作成している漫画です。お時間のあるときにでも覗いてみてください。
[browser-shot url=”http://yubt.net/man/151.html” width=”600″ height=”450″ href=”http://yubt.net/man/151.html” target=”_blank”]
食材についても、例がいろいろと載っていますので便利ですよ。そしてなんといっても面白いです。
糖質制限ダイエットは、いつでもお気楽に始められるのがウリですから、今日からでも、少しずつ意識されると良いかと思います。