
体についている脂肪は中性脂肪って言われる脂肪なんですね。
その中性脂肪の原料になっているのが脂肪酸とグリセロールなんですよ。あ、グリセロールはグリセリンって呼ばれることも多いのですよ。この記事ではグリセロールで統一しちゃいますね。
ダイエットの最大の目的は脂肪を落とすこと!
まずは敵を知らなければ!ということで脂肪の構成成分である脂肪酸とグリセロールについて見ていきましょ~。
脂肪の種類とグリセロールと遊離脂肪酸
いわゆる脂肪は、以下の4つに分けられます。
- 中性脂肪
- コレステロール
- 脂肪酸
- リン脂質
中性脂肪はよく聞く名前ですよね。いわゆる体についた脂肪が中性脂肪なのです。体の脂肪のうち90%以上を中性脂肪が占めているって言われてマスよ。
中性脂肪は、グリセロールに脂肪酸が3個くっついてできています。別名、トリアシルグリセロール、トリグリセド(TG)なんて呼ばれ方もするのです。
次にコレステロールですね。健康診断でもおなじみなので知っている方も多いと思います。あまりよくないイメージを持っている人も多いとおもいますが、
- 細胞膜を作る
- ホルモンの材料になる
という重要な役割を持った子なんです。
また、血液中を旅する乗り物にもなるのです。善玉コレステロールや悪玉コレステロールって聞いたことありません?これは乗り物の名前なんですね。
次に脂肪酸ですね。中性脂肪を分解すると、脂肪酸とグリセロールに分かれます。
脂肪酸は最近注目されていますので、名前を聞いたことがある子が多いのではないでしょうか。たとえば、
詳細はそれぞれのリンクを見て頂くとして、現在の流行りは、
- 飽和脂肪酸はなるべくとらない
- トランス脂肪酸もなるべくとらない
- n-3系脂肪酸(DHA、EPAなど)を多くとるようにする
っていう感じになってますね~。
脂肪酸は分類の仕方でいろいろと名称が変わってくるのですが、遊離脂肪酸は、誰ともくっつかずブラブラしている子のことを指すのですよ。ぼっちなんですね。FFAやNEFAなんて呼ばれることもあるようですよ。
最後にリン脂質ですね。リン脂質は主に細胞膜を作っている子です。あまり有名ではないですが、大事な働きを持っているんですね。
ざっと脂肪の種類を見てきました。
ざっくりとまとめると
- 脂肪には4種類ある
- 体の脂肪は中性脂肪
- 中性脂肪は脂肪酸とグリセロールから作られる
- 反対に中性脂肪を分解すると脂肪酸とグリセロールができる
- 遊離脂肪酸は誰ともくっつかずフラフラしている子

では、脂肪の中でもグリセロールと遊離脂肪酸について、それぞれのはたらきを見ていきましょう~。
グリセロールと遊離脂肪酸ってどうやってできるの??その仕組みは??
仕組みの話は面倒ですので、ささっと読み流して頂いて、なんとなくの流れだけつかんでいただければと思います。
まず、食べ物から脂質をとりこんだところからお話しますね。
食べ物に含まれる脂質は、多くが中性脂肪の形をとっています。なので、まずはバラバラと分解してあげる必要があるんですね。分解は十二指腸とすい臓で行われます。
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分解された中性脂肪は、
- グリセロール
- 脂肪酸
- モノグリセド(グリセロールに脂肪酸が1個くっついたモノ)
の3個に分かれるんですね。で小腸に流れ込みます。
グリセロールはアルコールでして水に溶けますから小腸で吸収されます。また脂肪酸のうち中鎖脂肪酸は吸収しやすい形をしていますので、ここでさくっと吸収されてエネルギーに使われます。なので中鎖脂肪酸は注目されているんですよ。
残った脂肪酸とモノグリセドなのですが、このままの形では吸収できないのですよ。なので、たんぱく質とくっついて、カイロミクロン(キロミクロン)っていう乗り物を作るんですね。
このカイロミクロンに乗って、なんとリンパ管に突っ込むんですよ。
リンパ管に入ってリンパ液に乗って、胸管っていうところから血液に合流するんですね。そこから体中を旅しつつ、エネルギーが必要なところには中性脂肪を渡してあげたりするわけです。
最終的に肝臓に到着してゴール。ここで余った中性脂肪は肝臓から血液へ流し込まれるんですね。
ここまでのお話でグリセロールは出てきましたが、遊離脂肪酸が出てきませんね。遊離脂肪酸の出番はこれからなのですよ!
これまでは食事からとりいれた脂肪の旅をお話してきましたが、ここからは食事をしていないときの体の仕組みを説明しますね。
食事をしていないと血糖値は下がっていきます。つまり、エネルギーに利用するぶどう糖が少なくなっていくんですね。そうなるとどうするかといいますと、脂肪を分解してエネルギーを作り出すんです。
貯めていた中性脂肪をリパーゼという酵素でグリセロールと脂肪酸に分解するわけですね。グリセロールは糖新生でぶどう糖に作り変えることができます。では脂肪酸は??
実は脂肪のエネルギーの大半を脂肪酸が持っているんですね。ちなみに脂肪が分解されて拘束から解放された脂肪酸を遊離脂肪酸って言います。
ようやく遊離脂肪酸が出てきましたね。
で、遊離脂肪酸、拘束から解放されましたから本当はフラフラしたいところなのですが、脂肪酸は油です。血液を流れることができないんですね。なので、アルブミンっていうたんぱく質を乗り物にします。
アルブミンに乗っかって血液に流れて体中を旅しつつ、エネルギーが必要な個所があると、そこに飛び込みます。そして細胞の中のミトコンドリアと合流します。
そこでミトコンドリアが脂肪酸を使ってエネルギーを作るんですね。1gあたり9kカロリーという猛烈なエネルギーです。炭水化物やたんぱく質が1gあたり4kカロリーですので、倍以上のエネルギーが得られるわけですね。
これがいわゆる脂肪燃焼なのですよ。
なんとなくでも脂肪吸収・分解の仕組み、そしてグリセロールと遊離脂肪酸が出来る仕組みをわかっていただければ幸いなのですよ。
では、グリセロールと遊離脂肪酸のはたらきについて見ていきましょ~。
グリセロールと遊離脂肪酸のはたらき
まずはグリセロールの働きから見てみましょう。
グリセロールの働き
最初にお話ししたように、脂肪酸を3個くっつけて中性脂肪になります。また、中性脂肪の材料になるだけでなく、リン脂質や糖脂質の材料にも利用されているんですよ。大忙しなのです。
体の中では、ぶどう糖に変えられるっていう重要な役目もあるのですよ。
ヒトの体の中には、糖新生っていって、アミノ酸やグリセロール、乳酸などからぶどう糖を作る仕組みがあるのです。
糖新生ではおもにアミノ酸が使われます。だいたいアミノ酸が90%くらいの割合で使われるって言われてますね。残りをグリセロールや乳酸などが補っているのですよ。
なぜ糖新生が必要かと言いますと、たとえば寝ているとき。
寝てるときってご飯食べないですよね。でも、心臓や筋肉や脳はちゃんと動いているわけでして。エネルギーはぶどう糖でまかなうわけですが、ぶどう糖って想像以上に在庫少ないんですよ。
血液の中のぶどう糖を使い果たすと、肝臓や筋肉にためこんでいたグリコーゲンっていう子をぶどう糖に変えて血液の中に流すんですけれど、そこまで多くの備蓄がないんですね。
なので、足りないぶどう糖を作り出すために糖新生っていう仕組みを使うのですよ。
糖新生はおもに肝臓で行われてまして、ほかの物質からぶどう糖を作って血液に流してあげることによって、寝ている間でも体の機能を維持できる仕組みになっているんですね。
グリセリンは、わずかながらも糖新生の材料になっていますので、体にとってとても重要な物質なのですよ。
グリセロールの用途
グリセロールは実は体の中だけでなく、いろんなモノに利用されているのです。
たとえば化粧品ですね。ほとんどの化粧品にはグリセロールが配合されています。グリセロールには肌の潤いを保ったり、肌を弱酸性に保ってくれる効果があるって言われてます。
お肌が弱酸性になっていると、お肌の善玉菌が上手く働くことができるんですね。そのため、化粧品に多く利用されています。
他は、食べ物にも結構入っているんですよ。
お肉や油といった脂質に含まれているのはもちろんのこと、グリセロール単体でも、添加物として利用されていマス。わずかながら甘味がありますので、甘味料や保存料、保湿剤、増粘安定剤として利用されているんですよ。
2015年8月現在では、指定添加物に3種類、既存添加物に3種類登録されています。
(厚生労働省 指定添加物リスト(規則別表第1) 既存添加物名簿収載品目リスト より抜粋)
数が少ないですからご紹介しておきますね。
指定添加物
- グリセリン(別名グリセロール)
- グリセリン脂肪酸エステル
- グリセロリン酸カルシウム
既存添加物
- ウルシロウ(ウルシの果実から得られた、グリセリンパルミタートを主成分とするものをいう。)
- 酵素処理レシチン(「植物レシチン」又は「卵黄レシチン」から得られた、ホスファチジルグリセロールを主成分とするものをいう。)
- モクロウ(ハゼノキの果実から得られた、グリセリンパルミタートを主成分とするものをいう。)
このように、グリセロールは非常に身近な成分なのですよ。
遊離脂肪酸のはたらき
遊離脂肪酸はエネルギーとして使われるのが主な役割ですね。使い切れなかった遊離脂肪酸は肝臓に戻されて中性脂肪に合成されちゃうのですよ。
ちなみに、脂肪酸をミトコンドリアがエネルギーとして利用する場合は膨大な酸素が必要になるようです。なので有酸素運動が有効なんですね。
これ以外は・・・特にないですね(笑)。
あるとすれば、健康診断で見かけることが多いかもしれません。
血液中の遊離脂肪酸の数ってホルモンによって割ときっちりと管理されているんですよ。脂肪を分解してエネルギーが必要なときは、アドレナリンや成長ホルモンといったホルモンが分泌されて、遊離脂肪酸が増えます。
逆に遊離脂肪酸が不要なときは、インスリンなどを分泌して脂肪の分解をおさえるんですね。
ホルモンのバランスが乱れてしまうと、血液中の遊離脂肪酸の割合が高かったり低かったりするわけです。特に糖尿病の場合、インスリンが出ませんから脂肪がガンガン分解されて、血液中の遊離脂肪酸がすんごい増えるんですね。
遊離脂肪酸から中性脂肪が作られて血液中の中性脂肪も増えますし、血糖値が高くなってますから、血液中のぶどう糖からも中性脂肪が作られます。
なので、血液中の遊離脂肪酸(FFA)や中性脂肪(TG)の値が高い方は糖尿病に注意なのですよ!
グリセロールと遊離脂肪酸とダイエットの関係
脂肪である中性脂肪の成分
- グリセロール
- 遊離脂肪酸
についてがっつり見てきました。
あとはコレをダイエットにどう活かしていくか、なんですよね。ポイントは、
- ぶどう糖がないときに脂肪は分解されやすい
- 脂肪酸をエネルギーとして利用する場合は酸素が必要
の2点ですね。つまり、
- お腹が空いている(血糖値が低い)ときに運動する
- 体がエネルギー補給のために脂肪を分解する
- 脂肪酸を燃やすために酸素をしっかりとりこむ
- 酸素があるのでミトコンドリアが脂肪酸を燃やしてくれる
- よりエネルギーを必要とするために有酸素運動
という流れですね。
- お腹が空いているときに有酸素運動をする!
っていうのが一番効果的なようです。
コレってミトコンドリアを増やすのにも有効ですから、相乗効果で痩せやすくなりそうですね。
朝一軽く1時間ほどウォーキングする、っていうのがなんだか良さそうなのですよ。
痩せやすく太りにくい体を目指して、れっつウォーキング。